空港で預けた荷物が遅延・紛失してしまう「ロストバゲージ」。
確率で見ると少ないと思う方もいるかもしれませんが、1フライトで200人が搭乗した場合、そのうち1.14個の荷物がロスバゲに遭う計算になります。
こうして考えると案外身近な問題ですよね。
今回はロスバゲの原因や旅行への影響、ロスバゲで受けられる補償について解説していきます。
ロスバゲとは?
ロスバゲとは、「空港で航空会社のカウンターに預けた手荷物の遅延・紛失」を指します。
ロスバゲは「ロストバゲージ(lost baggage)」の略です。
※「ロストラゲージ(lost luggage)」ということもあります。
ロストバゲージという言葉は、荷物遅延・荷物紛失を含めて広義で使われています。
予定通りに荷物が到着しないことを総称してロストバゲージと呼んでいるのです。
荷物はどうなるの?
一方、「ディレイドバゲージ」という言葉もありますが、こちらは荷物遅延のみを指します。
ロスバゲと言っても、「ディレイドバゲージ」の場合は「荷物遅延」なので、しばらくすれば荷物は手元に戻ってきます。
一方、本来の意味での「ロストバゲージ」の場合は「荷物紛失」なので、数日経っても荷物が出てこないこともありますし、最悪の場合、荷物が戻ってこないこともあります。
ロスバゲに遭うと何が困るの?
なかなか避けることが難しいロスバゲですが、ロスバゲに遭うと困ったことが起こります。
ロスバゲに遭った際に起こる具体的な問題点を見ていきましょう。
荷物が届かないので旅行先での滞在に影響を及ぼす
ディレイドバゲージ(荷物遅延)であれば、荷物は数時間で届くこともありますが、数日かかることもあります。
また、荷物は空港に届け出た住所(ホテルなど)に届くので、荷物が届くまでの間、届け出た住所に留まる必要が出てきます。
荷物到着までの生活用品購入などでお金がかかる
衣類や電化製品、生活必需品をスーツケースに入れていた場合、荷物が届くまでの間をしのぐのに現地で生活用品などを購入しなくてはならなくなります。
その分の購入費は補償される場合もありますが、多くは後日請求になるので、その場では自分で支払わなくてはなりません。
ロスバゲに遭い、足りない生活用品を購入した場合は、クレジットカードで決済した場合でも必ずレシートを取っておくようにしてください。
補償の請求をする際にレシートがないと、申請を受け付けてもらえなかったり、補償額をかなり減額されたりしてしまいます。
ロスバゲにあった人の声を紹介
ロスバゲに遭った場合に受けられる補償
ロスバゲに遭った場合、航空会社への届け出や保険会社・カード会社への連絡が必要です。
ロスバゲに遭った際は、まず航空会社へ届出をし、空港にいる間に、加入している海外旅行保険の保険会社への連絡や、クレジットカード会社への連絡を済ませておきましょう。
ここからは、ロストバゲージの際の補償を、航空会社、海外旅行保険の保険会社、カード会社に分けてそれぞれ紹介します。
航空会社からの補償
航空会社のロスバゲに対する補償は、会社によって対応がかなり違ってくるようです。
航空会社にロスバゲの補償をしてもらうには、その日のうちに届け出る必要があります。
空港で預けた手荷物が受け取れなかったら、まず近くのカウンターに向かい、事情を説明して「手荷物引換証」の半券を渡します。
そして行きと帰りの日程などを伝え、搭乗券を渡し、預けた手荷物がどこにあるのか調査してもらいましょう。
荷物はどこにあるの!?
この時点で預けた手荷物が見つかればいいのですが、問題はどこにあるのかわからない場合です。
いわゆる「事故報告書」に記入をして、預けた手荷物の追跡調査をしてもらうことになります。
この事故報告書には、預けたスーツケースなど手荷物の特徴や中身を記入する欄があるので、スーツケースにわかりやすい目印をつけていると伝えやすいです。
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荷物の補償はどうなるの?
航空会社からの補償については、どこで荷物がなくなったのかによってどの航空会社が補償をしてくれるのかが決まります。
航空会社によっては日用品の購入費用を補償してくれたり、1泊分の下着・歯ブラシ・アメニティなどの補償セットを支給してくれたりとさまざまです。
日用品の購入費用の補償額については、国際線の場合、どの条約に則っているかで変わってきます。
▼条約
・ワルシャワ条約:手荷物の補償額上限は1kgあたり17SDR(約23米ドル程度)
・モントリオール条約:1kgあたり30米ドル
国内線の場合は航空会社によって手荷物1kgあたりいくらと上限が設定されています。
いずれの場合も、航空会社の補償額は少なめです。
クレジットカードの付帯保険からの補償
クレジットカードには海外旅行傷害保険が付いているものも多くあります。
なかには、手荷物遅延費用・手荷物紛失費用を補償してくれるカードもあります。
ただし、こうしたロスバゲの補償が付いたクレジットカードには年会費無料のものはなく、最低でも年会費は2,000円程度~1万円以上のステータスカードです。
こうしたカードではロスバゲで1万円~3万円程度の補償が受けられるものが多く、また複数枚のカードを持っていれば補償額が合算できます。
海外旅行する機会が多い方はこうしたクレジットカードの補償で保険を賄うのもオススメです。
クレジットカードでロスバゲの補償を受ける場合は、航空会社で手続きをした事故報告書と、商品を購入したことを証明するレシートや領収書が後日必要になります。
ロスバゲの補償があるクレジットカード
ここではロスバゲの補償があるクレジットカードとその内容を紹介していきます。
JCBゴールドカード
JCBゴールドカードはJCBのプロパーカード「JCBオリジナルシリーズ」のなかの1枚です。
JCBゴールドカードの年会費は10,000万円(税別)とリーズナブルになっています。
また、オンライン入会であれば初年度年会費無料です。
ポイントは【1,000円につき1ポイント】付与され、1ポイント5円相当なので還元率は0.5%です。
海外での利用ではポイントが2倍の1.0%還元になります。
JCBゴールドカードには海外旅行傷害保険が利用付帯で最高1億円、自動付帯で最高5,000万円付いています。
また国内旅行傷害保険も最高5,000万円が自動付帯し、国内外でショッピングガード保険が最高500万円まで付いているなど、充実の補償内容です。
ロスバゲに対する補償
JCBゴールドカードのロスバゲでの補償は、荷物遅延と荷物紛失の2種類があります。
項目 | 内容 |
---|---|
寄託手荷物遅延費用保険金 (最高2万円) | 到着後6時間以内に手荷物が届かなかった場合で、到着後48時間以内に衣類などを購入した費用を補償 |
寄託手荷物紛失費用保険金 (最高4万円) | 到着後48時間以内に手荷物が届かなかった場合を紛失とみなし、到着後96時間以内に衣類などを購入した費用を補償 |
さらに、乗継遅延費用や出航遅延費用などが最高2万円まで補償されます。
アメックスゴールド
アメックスゴールドは年会費29,000円(税別)のゴールドカードです。
ポイント還元率は、【100円につき1ポイント】の1.0%還元。
アメックスゴールドには利用付帯で最高1億円、自動付帯で最高5,000万円の海外旅行傷害保険が付いています。
また、利用付帯の国内旅行傷害保険も最高5,000万円付いているなど、充実した補償が魅力です。
ロスバゲに対する補償
アメックスゴールドのロスバゲについての補償は、荷物遅延と荷物紛失の2種類があります。
項目 | 内容 |
---|---|
受託手荷物遅延 (最高2万円) | 目的地に到着してから6時間以内に手荷物が届かなかった場合に、衣類や生活必需品の購入費用を補償 |
受託手荷物紛失 (最高4万円) | 目的地に到着してから48時間以内に手荷物が届かなかった場合、手荷物は紛失したものとみなし、到着後96時間以内に購入した衣類や生活必需品の費用を補償 |
アメックスゴールドには、そのほか、乗継遅延費用や出航遅延・欠航・搭乗不能費用が最高2万円まで補償されます。
まとめ
ロスバゲに遭った場合は、まず航空会社で手続きをし、海外旅行保険に入っていれば保険会社、カードにロスバゲの補償が付いていればカード会社に連絡してください。
手続きや連絡は、その場ですぐに行うのが鉄則です。
ロスバゲで補償が付いているクレジットカードのうち、今回紹介したカードの補償内容は以下の通り。
年会費 | 荷物遅延 | 荷物紛失 | |
JCBゴールドカード | 1万円(税別) ※オンライン入会で初年度無料 | 最高2万円 | 最高4万円 |
アメックスゴールド | 年会費29,000円(税別) | 最高2万円 | 最高4万円 |
これらのカードは海外旅行傷害保険の補償内容も充実しているので、海外に行く機会の多い方にはオススメです。
▼ロスバケ対策を教えてくれる動画もあります
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